日本初の国立公園に佇む「雲仙温泉」で、豊かな自然を堪能する贅沢な時間を。
長崎
更新日:2021年11月15日
島原半島のほぼ中心、標高700mのエリアに佇む山あいの温泉郷「雲仙温泉」。明治から昭和初期にかけて、西洋人たちの避暑地として栄えた温泉リゾートで、日本で最初の国立公園に指定された歴史ある場所です。ダイナミックな自然を肌で体感できるのが魅力です。
雲仙温泉とは
雲仙はその昔「温泉」と書いて「うんぜん」と読まれていたほど、温泉の中の温泉地なのです。
歴史は古く、開湯は1,300年以上前と伝えられています。江戸時代には外国人の避暑地として賑わい、1934(昭和9)年には、日本初の国立公園に指定されました。
温泉街は大きく分けて、古湯・新湯・小地獄の3つに分かれています。
昔ながらの共同浴場も、3エリアに1軒ずつあります。
各ホテルには絶景の露天風呂や展望風呂など趣向を凝らしたお風呂があり、日帰り入浴も楽しむことができます。
泉質は硫黄泉。源泉は今も活発に噴気を上げる雲仙地獄で、宿によっては、お湯の色が透明だったり、白濁していたりと様々。それもまた、雲仙温泉の特徴です。
雲仙温泉観光協会の手島さんに、秋冬の雲仙の楽しみ方を聞いてみました。
「やはり雲仙の最大の魅力は自然です。住んでいて思うのは、季節の移り変わりを肌で感じられるってこういうことなんだな、と。例えば、夏になると鳥の鳴き声で目が覚めるんです。絵本の中の世界みたいでしょ。四季折々の良さがありますが、これからの季節、秋はやっぱり紅葉ですね。仁田峠の紅葉は、山の頂からはじまり、徐々にふもとまで降りてきて、11月下旬までお楽しみいただけます。
また、雲仙地獄の前に新しい展望台が誕生しました。
ぜひ展望台から温泉街や秋色に染まる雲仙の山々を楽しんでください。」
ではそんな雲仙をめぐるとっておきのスポット。スタートは雲仙温泉から車で約30分。
小浜にある「カレーライフ」から紹介します。
地元の豊かな食材で作る、こだわりのスパイスカレーでランチ
縁あって、埼玉から移住してきた店主が、独自に研究を重ね、生み出したオリジナルカレーのお店です。2018年にオープンして以来、小浜温泉のランチスポットとして欠かせない存在に。
お店は小浜温泉街の中心部と、アクセスしやすい場所にあります。雲仙温泉からも車で30分なので、ドライブするにもちょうどいい距離です。
もともとカレーが好きで、得意料理だったという店主。小浜に移住する前から「いつか自分のお店を持ちたい」という思いを抱き、「やるなら好きなカレーかな」と漠然と思っていたんだとか。
店主が作るカレーは現在3種類。スパイスをふんだんに使っているものの、種類によっては、ゴリゴリのスパイス系ではなく、小さなお子様も味わえるような優しい味のものもあります。
看板メニューにもなっている「雲仙もみじ豚キーマカレー」がそれで、辛さはゼロ。雲仙のブランド豚・うまか豚もみじを使用しています。たっぷりの根菜が食感のアクセントになり、隠し味に入れた味噌で、ほんのり和風の懐かしい味わいに。
辛さを求めるなら、「小浜グリーンカレー」がオススメです。自家製ペーストとココナッツミルクに、なんと!小浜名物・エタリの塩辛をプラス。エタリとは、橘湾で獲れた新鮮なカタクチイワシのことで、塩辛にすることで、和製アンチョビとも呼ばれています。その塩味がココナッツミルクと絶妙に絡み合い、グリーンカレーのコクを生み出しているのです。
店内では店主がコーヒーの自家焙煎を行なっています。お店でテイクアウトできるのでお土産にオススメです。
カレーライフ
住所:長崎県雲仙市小浜町北本町905-29
電話:0957-60-4675
営業時間:11時30分~16時
店休日:火、水
雲仙温泉観光のテッパン!噴気に包まれた世界・雲仙地獄をポカポカ散歩
硫黄の香りが立ち込め、白い噴煙がそこかしこから上がり、蒸気と熱気が辺り一面を覆い尽くす雲仙地獄は、まさに地獄そのもの。地獄内には遊歩道が整備され、30分ほどで地獄をひと回りできます。江戸時代にはキリシタン殉教の舞台となったことでも知られています。
地獄は30カ所あり、「清七地獄」、「雀地獄」、「お糸地獄」、「真知子岩」などなど。様々な哀史や伝説を今に伝えているのです。
特に噴気活動が活発なのが「大叫喚(だいきょうかん)地獄」。30〜40mにも及ぶ白い噴気が上がる様子を間近に観賞できます。
地獄内には地獄を体感できる場所があります。
・「雲仙地獄 足蒸し」
足を置くと地熱や噴気を体感できるスポット。足の裏からポカポカと温まり、寒い季節にはぴったりな地獄です。
・「雲仙地獄工房」
地獄の蒸気を使って蒸しあげる温泉たまごを販売しています。2個200円、5個400円。また、島原半島のレモン果汁や天然水で仕上げた「温泉(うんぜん)レモネード」もあります。
・「雲仙地獄見台(休憩所)」
テーブルと椅子があり、地獄を見渡しながら温泉たまごを食べたり、休憩できます。屋根付きなので、少々の雨でも濡れずに過ごすことができます。
地獄の入場は無料。ぜひ大地の息吹を体感してみてください。
雲仙地獄
住所:長崎県雲仙市小浜町雲仙
電話:0957-73-3434(雲仙温泉観光協会)
営業時間:24時間
休み:なし
パノラマビューの展望風呂で、雲仙の「湯力」を実感しよう
2018年に雲仙にオープンした、湯快リゾートブランド。コンセプトは「大自然と湯けむりにつつまれたパノラマビューの展望風呂」。場所は雲仙温泉の街中にあるので、観光途中に立ち寄るにはぴったりです。
温泉では日帰り入浴を行なっていて、宿泊せずとも気軽に温泉を楽しむことができます。
日帰り入浴できる展望大浴場は男性大浴場(内湯・露天風呂)と、女性大浴場(内湯・露天風呂・サウナ)で、宿の屋上にあります。宿のコンセプトの通り、パノラマビューの壮大なロケーションを肌で感じられるのが特徴です。
目の前にはおしどりの池や紅葉に彩られた山々の景色が広がります。
湯の泉質は硫黄の香りがふんわりと全身を包み込む硫黄泉。強酸性なので、殺菌効果などがあると言われています。
絶景プラス上質な硫黄泉と、非日常感をたっぷり味わえる温泉入浴での至福の時間。これを平日ならワンコインで楽しめるなんて、なんとも嬉しい限り。ゆっくりと硫黄泉に浸かって、日頃の疲れを吹き飛ばしましょう!
湯快リゾート雲仙温泉 雲仙東洋館
住所:長崎県雲仙市小浜町雲仙128
お問合せ:0570-550-078(湯快リゾート予約センター受付時間 8時〜21時)
営業時間:9時〜11時、14時〜23時
休み:なし
料金:大人500円(土、祝前日、繁忙期1000円)
※詳細はHPで確認を、3歳〜小学生450円、タオルレンタル330円。
湯快リゾート 雲仙温泉 雲仙東洋館
長崎県雲仙市小浜町雲仙128
https://yukai-r.jp/unzen-toyokan/
リゾートホテルのカフェで、雲仙にちなんだご当地スイーツを♪
1917年創業・老舗のMt.Resort雲仙九州ホテル。2018年のリニューアルで、「大人のリゾートホテル」をコンセプトに生まれ変わりました。
2階にあるカフェ「The Mellow Ridge(メロウ リッジ)」は、宿泊者以外でも利用可能です。
スイーツはホテルオリジナル。この「スウィート マウンテン」。何を表現しているか、わかりますか?
実は平成新山をイメージして作られたスイーツなんです。
「山に緑が早く戻りますように」という思いのこもったスイーツです。
フレンチトースト・カステラ・アイスを重ね、さらに生クリームやメレンゲで山肌感を。
甘さだけでなく、ほろ苦いキャラメルソースで、大人の味わいに仕上がっています。
カフェにはテラス席があり、パラソルとテーブルが置かれた空間は、まるで海外のリゾートホテルのよう。
四季の風景を眺めながら、鳥のさえずり、中庭を流れる水のせせらぎなどをBGMに、素敵な午後のひとときを過ごせます。
店内は天井が高く、しっとりと落ち着いた雰囲気。大きな窓からは絹笠山を見渡せ、開放感抜群です。
宿泊者以外が利用できる時間は15時〜18時30分までです。
Mt.Resort雲仙九州ホテル
住所:長崎県雲仙市小浜町雲仙320
電話:0957-73-3234(9時〜17時30分)
営業時間:15時〜18時30分
定休日:メンテナンス等で休館の場合あり
Mt.Resort 雲仙九州ホテル
長崎県雲仙市小浜町雲仙320
https://kyushuhtl.co.jp/
どのシーン、どの季節でも絵になる。絶景尽くしの仁田峠へ
春はミヤマキリシマ、夏は新緑、秋は紅葉、冬は霧氷や雪景色と、四季折々の美しさを持つ仁田峠。
特に秋の美しさは格別です。原生林に覆われた雲仙の仁田峠。標高180mの仁田峠から妙見岳山頂へ向かうロープウェイでは、片道3分のショートトリップ気分を味わいながら、紅葉観賞できます。
ヤマボウシやナナカマド、コミネカエデ、シロドウダンなど、約100種類の植物が色づく様子が窺えるのです。
さらに山頂の展望所からは、360度の視界が広がり、国見岳、普賢岳など、周辺の山々の紅葉も見渡せるほどです。
1月〜2月の特に冷え込みが激しい日には、霧氷が出現します。
霧氷を見るには、寒冷前線が雲仙に数日留まり、通過した早朝。かつ、突き抜けるような晴天の日、と言われています。ぜひ雲仙温泉に宿泊して、チャレンジしてみてください。
雲仙のお山に遅い春を告げるミヤマキリシマ。山の斜面をピンクの絨毯で染め上げる景色は圧巻です。
四季毎に美しい雲仙の自然を満喫しましょう。
仁田峠
住所:長崎県雲仙市小浜町雲仙551
電話:0957-73-3572(雲仙ロープウェイ)
営業時間:運行時間(4月〜10月)8時31分〜17時23分(上り最終17時3分)※4分〜8分毎の運行、(11月〜3月)8時31分〜17時11分(上り最終16時51分)
休み:悪天候時
料金:中学生以上往復1290円、小学生以下往復650円(5歳までは大人券1枚につき1名無料)
おわりに
雄大な自然に囲まれた山あいの温泉郷・雲仙温泉。国立公園内にある温泉リゾートで、自然を満喫しながらゆったりとした時間を過ごすことができます。雲仙地獄を中心とした温泉街を歩いたり、車で30分の海の温泉郷・小浜温泉まで足を伸ばしたり。島原半島を満喫するドライブを楽しんでくださいね。
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