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工場見学や併設レストラン完備の施設も。世界も注目する九州ご当地ワイナリー6選!

九州のお酒といえば焼酎のイメージが強いですが、実はワイン造りもけっこう盛んなんです。しかも昨今、名だたる国際ワインコンクールでもmade in九州のワインは数多く受賞。今回は中でも注目の6つのワイナリーを紹介します。

【福岡県岡垣町】20年来の夢を実現。地元産の山ぶどうで仕込む「ぶどうの樹のワイナリー」。

福岡市街地から車で約40分。玄界灘に面した福岡県岡垣町を起点に宿泊施設やレストラン、パンやハム・ソーセージ工房などを展開する「ぶどうの樹グループ」。もともとはぶどう農園からスタートしたこちらの悲願は、自ら育てたブドウでワインを作ること。創業家3代に渡る20年以上の夢が2021年、ついに実現!自社ワイナリーを完成させると共に、岡垣町産ブドウによるオリジナルワインを次々に発表しています。
中でもおすすめは写真左の岡垣町産の山ぶどう系品種・富士の夢100%で仕込んだ「654NUKAZUKA糠塚」3685円。そしてその右の「夢のつづき」2860円はキャンベルアーリー仕込みの辛口ロゼワイン。

どのワインも低温発酵によるしっかりとしたアロマ、遠心分離機による不純物の除去で生まれるクリアかつフレッシュな味わいに。ちなみに酸化防腐剤に使用も極力抑えているそうです。また、アルコール度数も10~11度と低く、料理のお供として気軽に楽しめるものばかり。
ワイナリー前には直営ショップがあり、紹介した2本を含む「ぶどうの樹」ソムリエが厳選する約80種類の世界各国のワインを販売。さらに自社工場のハム、ソーセージなどの加工品をはじめ、ワインのお供になる品々も多数用意しています。また日曜日にはオリジナルバーガーも販売。事前予約にてワイナリー見学&試飲も楽しめます。

ぶどうの樹ワイナリー
住所:福岡県遠賀郡岡垣町大字内浦526-6
電話:080-8147-3429
営業時間:10時~17時 ワイナリー見学(1週間前までに要予約)11時~、15時~
定休日:水曜
https://budounoki.co.jp/lp/budounoki-winery/

ぶどうの樹ワイナリー

福岡県遠賀郡岡垣町大字内浦526-6

https://budounoki.co.jp/lp/budounoki-winery/

【長崎県五島市】島産ぶどうに感謝を込めて醸す離島ワイナリー「五島ワイナリー」。

「五島ワイナリー」は2014年にオープンした長崎県初のワイナリー。場所は長崎港から高速船で約1時間20分。世界遺産の教会群や新鮮な海の幸、五島うどんなどが楽しめる五島列島最大の島、福江島にあります。
約2.4haの自社農場も持ち、キャンベルアーリーやナイアガラ、マスカットベリーA種のブドウを栽培。日照時間が長く、水はけのよい火山灰土壌、さらに周囲の海からの潮風により、この地ならではのミネラル感のある果実をつけるそうです。この島育ちのブドウたちに同じく島に自生するヤブツバキの花から採取される「五島つばき酵母」を加えて醸造。できあがったワインはまさに福江島の恩恵、そして福音に満ちあふれる奇跡の産物。
その一例がこちら。写真右の「ナイアガラ(白)」2750円は、柑橘系の爽やかさとフレッシュさ、そして潮風が生むミネラル感を感じる一品で、国際的ワインコンペティション「第10回サクラアワード」でゴールドも受賞(現在、ラベルの変更もあり)。その左に並ぶ「スパークリングワイン キャンベルアーリー ロゼ」、「スパークリングワイン ナイアガラ」(共に3300円)も評判です。

多くのワインが自社農場を含む長崎県産のブドウ仕込みですが、2023年冬には、初の五島産のブドウ100%による純五島産赤ワインも醸造。2023年12月に販売予定とのことなので、そちらもぜひ、注目を。

五島ワイナリー
住所:長崎県五島市上大津町2413
電話:0959-74-5277
営業時間:11時~20時※時間変動あり
定休日:木曜、毎月末、お盆
https://www.goto-winery.net/

五島ワイナリー

長崎県五島市上大津町2413

https://www.goto-winery.net/

【熊本県山鹿市】国内外のコンクールで受賞し続ける「菊鹿ワイナリー」

美肌の湯と評判の山鹿温泉から20分。標高1000mで昼夜の寒暖差のある菊鹿町は、熊本におけるワイン用ブドウの主要産地。この菊鹿産ブドウにこだわり、2018年にオープンしたのが「菊鹿ワイナリー」です。

醸造所は約1.5haあるブドウ畑に隣接。収穫したての果実を即仕込み、出来上がったワインは醸造所に直結するワインショップに並べられます。目の前に広がるブドウ畑をはじめ、ワインが生まれ、育つ世界をより身近に感じながら試飲することもできます。そんな菊鹿ワイナリーの顔とも言える1本が、「菊鹿シャルドネ」。
洋ナシと青りんごの豊かな果実味、程よく豊かな酸味を楽しませてくれるこちら。2009年の登場以来、数々の国際ワインコンクールで高い評価を得続け、2023年もシャルドネ種ブドウの伝統的産地であるフランス・ブルゴーニュで開催された国際ワインコンクール「シャルドネ・デュ・モンド2023」にて、「菊鹿シャルドネ」3498円はシルバーメダル、さらに「菊鹿シャルドネ樽熟成2020」(現在完売、2024年夏に出荷予定)はゴールドメダルを受賞。
この「菊鹿シャルドネ」をはじめ、ワインショップでは菊鹿町および熊本県産ブドウを活かした多彩なワインをご用意。さらに厳選されたワインのお供やワイングラス、カトラリーなど、ワインライフを楽しむためのグッズも取り揃えています。
また、ワイナリーのお隣にある「アイラリッジ」では、九州各地のお土産を販売するほか、本格ピザやパスタなどのテイクアウトグルメも味わえます。さらに、こちらで楽しめる「バーベキュー&デイキャンプ」プランも大人気。バーベキューグッズはもちろん、食材も用意されているので、手ぶらでOK。お気に入りの菊鹿ワインを購入して、菊鹿町の大自然と共に楽しむワイン&バーベキューパーティはいかが?

菊鹿ワイナリー
住所:熊本県山鹿市菊鹿町相良559-2
電話:0968-41-8585
営業時間:10時~17時
定休日:第1・3火曜
料金:バーベキュー&デイキャンプ(2名以上)/1人4000円(食材、ソフトドリンク付き)※11時~16時(14時最終スタート)
https://www.kikuka-winery.jp/

菊鹿ワイナリー

熊本県山鹿市菊鹿町相良559-2

https://www.kikuka-winery.jp/

【大分県宇佐市】西日本有数のぶどう産地のワイナリー「安心院葡萄酒工房」

湯布院温泉や別府温泉から車で約30分、大分県の北東部にある安心院盆地。晴れの日が多く、雨の少ない瀬戸内海気候のこの地に2001年、「安心院葡萄酒工房」はオープン。開園以来、地元農家と共に地域に根差したワイン造りを行い、2011年に自社農場「あじむの丘農園」でブドウ栽培を開始。試験栽培を含め約20品種のブドウを栽培し、約30種類の安心院産ワインを醸造しています。
それらを取りそろえるワインショップのほか、園内には広大なブドウ畑やワインの発酵タンク、貯蔵タンクなどが並ぶ製造ライン、さらに樽や瓶に詰められたワインが眠る貯蔵庫なども点在。それらは全て自由に見学もできます。
そんな「安心院葡萄酒工房」でのマストバイワインは、写真中央の「安心院スパークリングワイン」3851円。安心院産シャルドネ100%で仕込み、国内でも珍しい瓶内2次発酵で製造。2011年よりほぼ毎年、数々の国際ワインコンクールにて高い評価を得ています。一番右側の辛口赤ワイン「安心院ワイン小公子」4312円もおすすめです。山ぶどう由来の品種・小公子で仕込んだ厚みのある味わいで、こちらも2017年以降、数々のコンクールを受賞しています。

他にもブドウの栽培地区別、新樽仕込み、2種類の酵母使用など、個性あふれる品々がいっぱい。いろいろ試飲(有料)しながら、お気に入りの安心院ワインをぜひ、見つけてくださいね。

安心院葡萄酒工房
住所:大分県宇佐市安心院町下毛798
電話:0978-34-2210
営業時間:9時~16時
定休日:火曜(祝日の場合は営業)、年末年始
http://www.ajimu-winery.co.jp/

安心院葡萄酒工房

大分県宇佐市安心院町下毛798

http://www.ajimu-winery.co.jp/

【宮崎県小林市】四季折々の花公園に隣接するワイナリー「小林生駒高原葡萄酒工房」

宮崎は九州の中で最もワイナリーを多く有する県。「小林生駒高原葡萄酒工房」はその中でも新しい、2019年生まれのワイナリーです。その名称通り、四季折々の花景色を楽しませてくれる宮崎県小林市の生駒高原のお隣にあります。

実は県内トップクラスのブドウ産地である小林市。「小林生駒高原葡萄酒工房」も自社農場を持ち、スタッフ自らブドウ栽培を行っています。自社を含む小林産のブドウを丁寧に仕込んだワインたちは、まさに地元の方言でいう「んだもしたん!(あらまあ!の意)」と驚く逸品ばかり。小林市のふるさと納税返礼品としても大人気で、一部のワインはネット通販もされていますが、直販は宮崎県内のみとか。
商品ラインナップは大きく分けて2種類。スタッフが丹念に育てたマスカットベリーAやピオーネ種ブドウで仕込む「Nda-mo-shitan(ん・ダモシタン)」シリーズと、シャルドネ、ピノ・ノワール・メルローなどワイン専用品種ブドウで仕込む生駒高原シリーズ。
ちなみにワインショップのすぐ隣が醸造室。そちらと扉を挟んだ原料処理室にはワイン造りの工程を紹介するパネルも配置され、12月~8月の間は自由に見学できます。スタッフがお手すきの際には、そのパネルを使ったワイン造りの解説をしてくれることも。

ワインショップの前には直営レストラン「Chalet生駒高原」もあります。おすすめはたっぷりの地元野菜サラダに季節のスープ、さらに小林産宮崎牛の煮込みハンバーグ、味噌漬けポークソテー、パスタボロネーゼなどの選べるメインが味わえる「シャレ―ランチ」1980円。こちらの品々と小林産ワインとの「んだもしたん(あらまあ)美味しい!」 ペアリングもぜひ、お楽しみを。

小林生駒高原葡萄酒工房
住所:宮崎県小林市南西方8565-7
電話:0984-25-2662
営業時間:ショップ・カフェ10時~16時(3月~11月)、10時~15時(11月~2月)
       Chalet生駒高原(レストラン)11時~14時(LO13時30分)
定休日:月・火曜(祝日は営業。その際は翌2日間が休業)
https://www.np-k.co.jp/wine/

小林生駒高原葡萄酒工房

宮崎県小林市南西方8565-7

https://www.np-k.co.jp/wine/

【鹿児島県霧島市】ブドウ狩りで味わえる霧島育ちの絶品ぶどうをそのままワインに。「霧島さくらフルーツランド」。

霧島神宮から車で18分、旬のフルーツ狩りが楽しめる果物農園「霧島さくらフルーツランド」。園内には霧島山系の天然水、そして霧島特有の昼夜の寒暖差で濃い味に育った35品種以上のブドウの数々、その樹々もなんと2000本以上とか。この自慢のブドウを活かしたワイナリー「Sakura Farm &Winery」が2020年、農園内にオープン。しかも、鹿児島県内では初のワイナリーだそうです。そんな霧島育ちのブドウで仕込まれた代表的なワインたちがこちら!
一番左の「メルロ」2500円は土壌由来の香りと黒系の果実の調和、キメ細かいタンニンと凝縮感のある果実味を味わえる辛口の赤ワイン。その右は、BKシードレスのやや甘口のロゼ2500円。甘みとほろ苦い味わいが特徴。その隣にあるBKシードレスの白2750円は、辛口ながらも南国鹿児島を思わせる果実味豊かな白ワイン。
さらに右に立つ樽熟成「メルロ新樽」3500円も醸造家渾身の1本。ちなみにメルロとBKシードルの白には、200㎖の小瓶800円もあります。
これらを含む商品はワイナリーの隣に建つ「霧島さくら館」1階にあるショップで販売。その場で味わえる1杯500円のグラスワインもあります。こちらのワインも霧島市のふるさと納税の返礼品になっていますが、このショップと鹿児島市内にある系列店でも購入ができます。

また、7月~10月のブドウ狩りシーズンには園内に、ブドウの木の下でバーベキューが楽しめる「ぶどうの森テラス」もオープンします。バーベキューに旬の霧島産ぶどう、それを醸したレアワインの3つを一度に楽しむこともできますね。

霧島さくらフルーツランド
住所:鹿児島県霧島市国分重久5631-2
電話:0995-73-3990
営業時間:9時~17時
定休日:不定
http://sakurafarms.jp/

霧島さくらフルーツランド

鹿児島県霧島市国分重久5631-2

http://sakurafarms.jp/

おわりに。

今回紹介した以外にも、九州内にはまだまだたくさんのワイナリーがあり、さらに昨今、クラフトビールのように小規模、または個人でされる醸造者も増えています。焼酎や日本酒だけでなく、九州はワインもうまい、熱い、面白い!ぜひ、味わいに来てください。

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