こんなにあるの?!ディープな九州隠れ古墳10選巡り

とうじんおおつかこふん

唐仁大塚古墳

古代ロマン度(おすすめ萌え度):★☆☆☆☆
古墳にコーフン度(美しさ度):★★☆☆☆
イケフン度(知名度):★★★☆☆

唐仁古墳群の中心をなす鹿児島県下最大級の大きさを持つ柄鏡式前方後円墳

唐仁大塚古墳の画像

神社が護る古代隼人の実力者が眠りに就いた神聖な領域

国史跡内/前方後円墳=墳丘長約140(154とも)メートル/後円部の高さ約11メートル
築造=4世紀末
鹿児島県下最大規模の唐仁古墳群の中心的古墳で、県下最大級の大きさを誇ります。墳形は前方部が低く幅が狭い柄鏡式(えかがみしき)前方後円墳。後円部の墳頂は平らに削られており、その上に大塚神社が建立されています。
古墳の中心軸から少しずれてはいますが、神社本殿までの参詣路は前方部の墳丘を歩くルートになります。石段の下がちょうど前方後円墳のくびれ部分。そこを上りきれば本殿、つまり後円部の墳頂に達します。
大塚神社の下に眠る、隼人の社会の実力者が葬られた神聖な領域。今後、新たなパワースポットとして有名になるかもしれませんが、今は自分だけの特別な場所として心静かに訪れたいところです。

住所
鹿児島県肝属郡東串良町新川西5095番地
関連リンク
鹿児島県大隅半島の観光サイトのホームページはこちら (外部リンク)

動画

唐仁大塚古墳の全体像を空から探る
画像は上空から見た唐仁大塚古墳。ただし、墳丘の様子がわかりにくいため、現地案内板の地図を大まかに合わせた形で並べてあります。
さぁ、大塚神社へ向かってみましょう。画面中央下から出てきた道路を進み、緑地に当たってすぐ左へ曲がるところが大塚神社境内への入口です。この辺りは古墳の前方部の左裾に当たります。参道は道路から画面上方へ向かってまっすぐ伸びていて、木の生い茂った中に赤い屋根の建物が見えるでしょう?ここが神社の本殿になります。
本殿の周りの森(心なしか丸みを帯びて見えます)が後円部の墳丘で、森の外周に見える茶色い部分が後円部にめぐらされた周濠跡。幅は30メートル前後もあるんです。本殿とそのすぐ脇に建つ幣殿(へいでん)の間、渡り廊下の下には後円部の埋葬施設、竪穴式石室があります。石室は現在塞がれていますが、蓋石の一部は観察することができます。なお、1928年(昭和3)に行なわれた石室内の調査では、舟形石棺や横矧板鋲留(よこはぎいたびょうどめ)の短甲(たんこう)が確認できたと伝えられています。

唐仁大塚古墳の空撮の画像

唐仁大塚古墳の空撮。

短甲の画像

短甲。短甲とは胴周りを守る防具。「横矧板鋲留」は横長の帯金(おびがね)を鋲留めした鎧。蝶番によって開閉できる作りになっている。

本州最南端の古墳群 唐仁古墳群
唐仁大塚古墳が属する唐仁古墳群が国の史跡指定を受けたのは1934年(昭和9)。指定時は132基あったとされていますが、消失や新規発見などの増減もあって現在は130基。このうち前方後円墳は3基で、成立順は唐仁大塚古墳(1号墳)を筆頭に墳丘長57メートルの役所塚古墳(100号墳)、墳丘長42メートルの薬師堂塚古墳(16号墳)と続きます。
画像で見ると、画面手前が役所塚古墳、その上、画面中央は薬師堂塚古墳、さらにその上が唐仁大塚古墳。画面の上方、右から左に流れるのは肝付川、左奥に見えるのは志布志湾です。

唐仁古墳群の空撮の画像

唐仁古墳群の空撮。

受け継がれる支配者の系譜
この地域を収めた支配者の系譜は、唐仁古墳群内での古墳の規模と築造順から見て、最も古い唐仁大塚古墳、継いで役所塚古墳(100号墳)、そして薬師堂塚古墳(16号墳)の被葬者へ受け継がれたと考えられています。
また唐人古墳群は、近在の塚崎古墳群(同郡肝付町)や横瀬古墳を含む神領古墳群(曽於郡大崎町)などと併せて本州最南端に位置しており、畿内(きない)型の高い塚山を持つ古墳が分布する南限とされています。なお、これらの古墳群は古い順に塚崎古墳群→唐仁古墳群→神領古墳群であろうと見られています。

西方から見る役所塚古墳の画像

西方から見る役所塚古墳(100号墳)。画面奥が志布志湾の方向。

コロナ感染防止のため、古墳の見学や入場が制限される場合がございます。予めご確認下さい。


町民に愛される町花”ルーピン”ってどんな花?
ルーピン(黄花ルピナス)とは、アメリカや地中海岸を原産とする、日本では「ノボリフジ」と呼ばれる、藤を逆さにしたような形の花です。3月下旬から4月中旬に黄色い花が一斉に咲き誇り、柏原海岸に黄色いじゅうたんを敷き詰めたような花景色は、町民自慢の光景です。ルーピン満開の時期に合わせて、古墳散策したくなりますね。

ルーピンの画像

アクセス

電車で行く場合

JR日南線・志布志駅から路線バスを利用し、バス停「東串良」で下車

車で行く場合

九州自動車道野方インターより約30分