かじやじょう
梶谷城
おすすめ萌え度★★☆☆☆ 攻略難度★★☆☆☆ 知名度★☆☆☆☆
海の武士団、松浦水軍はじまりの地
抜群の眺望に目をつけ石垣の城へと改修。安土桃山時代の石垣が残る哀愁ただよう山城
九州北西部を拠点とした水軍、松浦氏の城。松浦党発展の痕跡を探れる貴重な山城として、県史跡に指定されました。梶谷城は、朝鮮出兵の際に近世城郭へと改修され、当時の石垣を見学することができます。巡りやすいコンパクトな構造ながらも、戦国時代末期の築城技術が堪能できる山城です。約420年前に想いを馳せる探検にでかけてみましょう!
- 住所
- 長崎県松浦市今福町東免
動画
松浦党はじまりの城
北松浦半島に位置する城山に築かれた梶谷城は、強靭な水軍を組織した「海の武士団」こと松浦党の祖、松浦久が築いた城です。今福の梶谷城を拠点としていましたが、久のひ孫、遶(めぐる)の代に、相神浦に場所を移して松浦氏の宗家になりました。
乱世に突入すると、松浦隆信(まつうら たかのぶ)が宗家を滅し松浦党を統一して戦国大名に。隆信は平戸を拠点としていたため、今福にあった梶谷城も領国の中に編入され支城として機能していったと考えられます。
乱世に突入すると、松浦隆信(まつうら たかのぶ)が宗家を滅し松浦党を統一して戦国大名に。隆信は平戸を拠点としていたため、今福にあった梶谷城も領国の中に編入され支城として機能していったと考えられます。
登城路も楽しい!
標高196.7メートルの山の山腹にある駐車場に車を止め、整備された散策路を進んで行きます。道の脇には石積みや曲輪(くるわ)の跡が見られ、どんどん中心部へ近づいてきました!もうすぐ二の丸です。
二の丸に残る石垣が見どころ
駐車場から歩くこと5分、二の丸に到着です。梶谷城の一番の見どころ「石垣」と、城址碑が出迎えてくれます。
1592年より決行された豊臣秀吉の朝鮮出兵の際、本陣、肥前名護屋城の築城とともに周辺のめぼしい城も改修され、梶谷城にも手が加えられました。現在見られる姿は、この際、石垣造りの城へと生まれ変わった時のもの。当時の石垣が残っています。
1592年より決行された豊臣秀吉の朝鮮出兵の際、本陣、肥前名護屋城の築城とともに周辺のめぼしい城も改修され、梶谷城にも手が加えられました。現在見られる姿は、この際、石垣造りの城へと生まれ変わった時のもの。当時の石垣が残っています。
梶谷城のココが面白い
梶谷城は、本丸と一段低い二の丸からなる単純な構造ではありますが、戦国時代末期の築城技術が見られる貴重な城です。近世城郭としては未熟さが残る本丸大手口の枡形門(ますがたもん)跡では、「あぁでもない、こうでもない」と、悩みながら城を改修した彼らの姿を想像して心がトキめいてしまいます。
城は、時代が下るごとに改修され、姿・形が変わるもの。戦国時代末期のまま時間が止まっているということは、この時期の築城技術をまるで「輪切り」したように見られる、学術的にも貴重な山城なのです!
城は、時代が下るごとに改修され、姿・形が変わるもの。戦国時代末期のまま時間が止まっているということは、この時期の築城技術をまるで「輪切り」したように見られる、学術的にも貴重な山城なのです!
山頂からは玄界灘を望むオーシャンビュー
本丸中央にポコっと飛び出た場所が、「物見台」と呼ばれる天守台跡です。しかし、実際に天守があったかどうかはわかっていません。
標高約196メートルの城山山頂からの見晴らしは、もう極上。伊万里湾から玄界灘までが一望できる雄大なオーシャンビューが楽しめます。これだけ見晴らしがよければ、朝鮮出兵の際に豊臣軍が目をつけたのも納得ですね。
標高約196メートルの城山山頂からの見晴らしは、もう極上。伊万里湾から玄界灘までが一望できる雄大なオーシャンビューが楽しめます。これだけ見晴らしがよければ、朝鮮出兵の際に豊臣軍が目をつけたのも納得ですね。
我らも松浦の“アジフライ党”に
400年以上この地を見守ってきた梶谷城も、1615年の一国一城令で廃城となり歴史に幕を閉じました。取り壊しによって建物はなく、また一揆などで再利用されないよう石垣も破壊されていますが、何も飾らない「ありのままの姿」から感じる哀愁がたまりません!
1時間から2時間ほど散策して、お腹も減ってきましたね。梶谷城のある松浦市はアジの水揚げ量日本一のまち。アジフライの聖地としても知られ、サクサク、ジューシーなアジフライが抜群においしいですよ。せっかく梶谷城まで来たならば食べなきゃ損。
1時間から2時間ほど散策して、お腹も減ってきましたね。梶谷城のある松浦市はアジの水揚げ量日本一のまち。アジフライの聖地としても知られ、サクサク、ジューシーなアジフライが抜群においしいですよ。せっかく梶谷城まで来たならば食べなきゃ損。
2021年10月現在、夏の大雨の影響で梶谷城跡へ続く道が被害を受け、通行禁止となっております。 予めご確認の上、お出かけ下さい。問合せ先:松浦市地域経済活性課観光物産係(0956-72-1111)内線271
アクセス
電車で行く場合
松浦鉄道西九州線 今福駅下車、徒歩約30分
車で行く場合
西九州自動車道 南波多谷口インターから一般道(塩屋大曲線を通り松浦市方面へ)、西九州自動車道 山代久原インターから今福インターへ。今福インターから車で約10分