記事 ARTICLE

温泉好きは必訪!美容液のような温泉を満喫する嬉野美肌旅

「日帰りで楽しめる嬉野美肌旅」を有名リゾート運営会社の“元”広報という「美しいもの/美味しいもの」にはピーンときてしまうアンテナを活用してご紹介!ホテルのチェックイン前/アウト後に訪れるのもオススメです。

コスパ最強。400円で美肌の湯に入れる「シーボルトの湯」

©(一社)嬉野温泉観光協会
嬉野温泉の特徴は、いくらすすいでも取れないヌルヌル感。(ちなみに湯口からは源泉がでます!)しかし、それこそが、美肌温泉である証拠。化粧水を顔に塗った時にヌルヌルする、あの感覚を温泉で実感できるのです。美容液のような温泉で満たされた湯船に首までとっぷりと浸かれば、最高に贅沢な気分を味わえます。
©(一社)嬉野温泉観光協会
泉質は、美肌に効果があるといわれる「重曹泉」。一般に美肌の湯といわれるポイントは4つあります。
  • ポイント1)肌を柔らかくする成分を含む
  • ポイント2)肌に保湿を与える成分を含む
  • ポイント3)肌をすべすべにする成分を含む
  • ポイント4)純度が高ければ、モア・ベター♪
高いアルカリ度が角質化した皮膚を柔らかくし(ポイント1)、塩素イオンとナトリウムイオンの絶妙なバランスが肌に保湿を与えて(ポイント2)、カルシウムイオンとマグネシウムイオンの少なさが肌をスベスベにし(ポイント3)。源泉であれば、より高い純度で効能を得られる(ポイント4)が揃うと美肌に貢献できると言われております。
嬉野温泉はいずれもポイントが高く、ゆえに、日本三大美肌の温と言われているのです。試したくなったでしょう?(笑)
 

磁器でできた巨大ナマズに秘められたストーリー

©(一社)嬉野温泉観光協会
湯船に入ると、湯口に鎮座する「ナマズ」に気づくはず。白くて、触るとツルっとした触感。肥前吉田焼(広義の有田焼)でできた焼き物です。
聞けば、ナマズは"美肌の神様"として嬉野温泉街にある「豊玉姫神社」に祀られているそうです。
余談ですが、佐賀県は日本一の焼き物の産地。嬉野には肥前吉田焼があり、近隣には波佐見焼、有田焼、唐津焼などがあり「焼き物好き」には、たまらない魅力がある地域です。茶碗やツボや大皿の磁器製品はよく見かけますが、こんなに大きい磁器は珍しい。神社には、もっと大きいナマズがいる、と言われれば、俄然行ってみたくなる訳です。 
シーボルトの湯から歩いて10分くらいだというので、早速、行ってみることにします。

美肌の神様にお参り「豊玉姫神社」

写真だと分かり難いのですが、側溝からは湯気がたっているのがわかりますか?鳥居がすこし煙って見えます。さすが温泉街にある神社らしい風情です。
参道を歩くと境内付近の右左にある小さな祠(ほこら)の中にミニチュアサイズのナマズがいます。これも磁器でできています。 

さらに境内に向かって歩くと・・・いました!
向かって右側に・・・
ナマズ様!
ドーン! 
シーボルトの湯にいるナマズよりはるかに大きいです。 
これはご利益がありそう!
そばにある立て看板によると「素肌健康」「しわ退散」「皮膚病退散」を願いながらナマズに水をかけるそうです。 
しかし、なぜ、ナマズなのでしょうか?宮司さんに聞いてみました。
曰く、 
「ご祭神の豊玉姫は龍神の娘です。龍神は水の神様。嬉野ではナマズは豊玉姫の使いと信じられてきました。ナマズのヒゲは龍のヒゲのような感じもします。嬉野の川に住むナマズは嬉野の人にとって田畑の実りをもたらす守護神であり、また、川に湧き出る温泉で湯治をする客にとっては、嬉野温泉の美肌効果とあいまって『肌の病を癒す』神にも感じられたのでしょう。そういうわけで『ナマズ様』はいまでは嬉野温泉のシンボルになっています」
とのこと。
嬉野のシンボル的存在のナマズ。
みればみるほど、かわいいと思うのは私だけでしょうか。
ツルっとした肌にお目目ぱっちり。ツルっとした感じは美肌感満載です。
豊玉姫神社(とよたまひめじんじゃ)

佐賀県嬉野市嬉野町大字下宿乙2231-2

http://toyotamahime.wixsite.com/bihada/

美肌の守り神・・だけではない「ナマズ」様をお土産にどうぞ

© AKIKO SUZUKI
ナマズは嬉野のシンボル的存在なのに、市内で、このキャラクターを見たことがない気がしますが?と神社の宮司さんに聞いてみたところ「シーボルトの湯」の前にある「小野原商店」で、チビ・ナマズを売っているとのこと。
10円玉の上に乗るくらいの小ささ。 お値段は890円です。(ヤクヨケにちなんで8(や)9(く)0(よけ)だそうです・・・笑)
 
©小野原商店
美肌ジプシーであり、磁器フリークな私としては、磁器でできたナマズは希少価値がある逸品であり、美肌のお守り。ぜひ「シーボルトの湯」に入浴された後にでも「小野原商店」にお立ち寄りいただければと思います。
小野原商店

嬉野市嬉野町大字下宿乙825番地1

http://www.ureshi-tanoshi-onsenstreet.jp/shop/detail?uid=2

2つ目の「美肌のヒミツ」は嬉野温泉湯どうふ

嬉野のガイドブックの「食」のページをみると「嬉野温泉湯どうふ」が紹介されています。温泉旅館ではたいてい「温泉湯どうふ」が供されますし、レストランも数件あり、どこも美味しいです。ですが、仕事で日本全国を飛び回っている私としては、この嬉野温泉湯どうふを家でおとなしく妻の帰りを待っている夫にも食べさせてあげたいと思うのです。
©(一社)嬉野温泉観光協会
そこで、地元の男性と女性の2名に「温泉豆腐を買って帰るならどこがお勧め?」と聞いてみました。
すると二人とも「個人的には“福田とうふ店"かな」と。
おお!これは行くしかありません。
お店は嬉野温泉街から車で二分(徒歩なら15分)。国道34号線上にあります。 
こんにちはー! 
ドアを開けたら、いきなりこの光景。
暖かい湯気と大豆のいい香りがうわーっと広がっています。 
できあがったばかりのふわっふわの豆腐を切るご主人。一つ一つ丁寧に&優しくパックに入れてらっしゃいます。
温泉豆腐(国産大豆)・・・238円 
温泉水・・・50円 
他に、こまだれ、ざる豆腐や揚げ豆腐、豆乳がありました。 
持ち帰り用の保冷バックもあり、お土産一式としても買えるのが旅行者にとって、とても助かります。 
豆腐1丁、温泉水1パックを購入して、飛行機で手持ち荷物として持ち帰りました。
自宅で、いざ、温泉湯どうふを食す。
一応、薬味も用意(しょうが、ネギ、かつおぶし、ゆず、とうがらし、ゆずこしょう、天然塩)して、くつくつ煮込むこと10分弱。
豆腐の角が崩れてきて、温泉水が白濁してきました。
どんどんホロホロになってきて、もはや、箸で豆腐はつかめません!な状態になったものを「おたま」で持ち上げて、器に移します。
まずは、そのままで・・・・
むはーー!めちゃくちゃにうまい! 
豆腐は、中までトロットロになり、しかも、そのお豆腐が溶けた温泉水は、豆乳のようになり、これまたうまい!!!! 
個人的には薬味は不要でした。塩をすこしだけで充分においしくいただけました。

ちなみに、他の温泉水では、こうはなりません。
なぜでしょうか?
ご説明しましょう。
まずは化学の話から。
たんぱく質はアルカリで溶けます。
豆腐はたんぱく質。嬉野温泉はアルカリ性。
ゆえに、この2つを合わせると、温泉水が豆腐を溶かし、その結果、豆腐はトロトッロになるのです。
豆腐+嬉野温泉=トロトロの温泉豆腐
この食べ方が「嬉野スタイル」です。とはいえ、アルカリ性の温泉が全てこうなるわけではありません。嬉野温泉は特別なんです(実験済み)。
ちなみに、スーパーの豆腐を入れてみましたが、同じ食材でも全くの別モノでした。例えて言うなら、バリスタが入れたスペシャリティ・コーヒーと缶コーヒーの違いでしょうか。豆腐も地元嬉野産のフクユタカを100%使用しており、単体で食べてもとても美味しいのです。
福田とうふ店

佐賀県嬉野市嬉野町大字下宿丙110-2

ああ、、なぜ、1丁しか買ってこなかったのか、、と悔やんでいたところ、通販がありました!豆腐も温泉水もかなり重いので次回からは夫には通販で温泉湯豆腐を楽しんでいただくことにします。

通販
<セットの一例:送料、クール代が別にかかります。>
  • 2丁セット:温泉豆腐2丁+調理水ペットボトル1本、ごまタレ1・・・1,890円(税込)
  • 3丁セット:温泉豆腐3丁+調理水ペットボトル1本、ごまタレ1・・・2,100円(税込)
ギフトセットは発砲スチロールの箱で、その他はダンボール箱で発送します。
<単品:消費税、クール代、送料が別にかかります。>
  •  温泉豆腐・・・250円
  •  調理水・・・50円
  •  ごまタレ・・・260円
  •  箱代・・・200円

火の国、佐賀を感じる「轟の滝」へ

「福田とうふ店」を教えてくれた人が、「福田とうふ店」のそばに「轟の滝」という名所があるから行ってみたら勧めてくれました。見所は何?と聞いたところ、「滝があって」「洗濯板みたいな岩が川の中にある」と。地元の人は「鬼の洗濯岩」と呼んでいるそうです。
鬼の洗濯板・・こちらです。
すごいです。
一枚岩なのでしょうか。川幅全面がデコボコした板のような岩になっています。
話は少し飛びますが、佐賀県はかつて「肥前」と呼ばれていました。
「肥」は「火」を意味しています。 
佐賀県=肥前=火の国
佐賀県がある嬉野は雲仙岳などの火山帯の中に位置しています。その火山帯は、今から約3万年前に大噴火を起こし、この地に「温泉」、それに陶磁器の原料となる硬い石の地層をもたらしました。その時の噴火が佐賀県を「温泉県」にし「焼き物県」にしたのです。
「鬼の洗濯板(通称)」は、火山の噴火により表出した硬い岩盤の地層のこと。「轟の滝」は、嬉野温泉やナマズ、温泉湯どうふなど、この土地ならではの魅力の「原点」がわかる場所かもしれません。そして、それを象徴するのが洗濯板なのかもしれません・・・などと思うと、なんだか悠久のロマンを感じます。
滝の上「轟の滝」の上で、嬉野を見下ろしているのが「不動明王」。
不動明王は家内安全などの厄除けの神様ですが、この迫力からは火の神のようにも見えますね。小高い丘にたっているので、まるで、嬉野市内を見守っているようにも見えました。
嬉野美肌旅、本当はお茶や肥前吉田焼など、もっともっと紹介したいことがあるのですが、今回はここまで。
旅産業に長らく従事してきた私が旅を楽しむアドバイスをするならば、魅力の「点」と「点」を「線」でつなげ、オリジナルのストーリーを織ることかと思います。
「温泉」を軸にした、この嬉野美肌旅を参考にして、あなただけの美肌旅を楽しんでいただければと思います。 

地図を見る

Google Mapの読み込みが上限を超えた場合、正しく表示されない場合がございますので、ご了承ください。

関連するタグ

タグ一覧を見る

関連記事

週間記事ランキング

この記事を書いたフォトライター

PAGETOP