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水郷・柳川で川下りや、うなぎのせいろ蒸しを楽しむ【前編】

福岡県の南部に位置し、福岡市から車や電車で1時間と日帰り圏内にある柳川。
わずか2㎞四方の市街地に全長60㎞もの掘割が張り巡らされており、どんこ舟が行き交う川下りは風情抜群。旧柳川藩主立花家の屋敷・御花など史跡や名勝も多い〝絵になる街〟を前編、後編の2回に分けてご紹介。もちろん、柳川名物「うなぎのせいろ蒸し」の隠れた名店もご紹介します!

掘割の情緒、船頭との掛け合いを楽しみながらゆるり川下り

柳川観光といえばまずは何といっても川下り。柳川城址のまわりを網の目のように張り巡らされた水路「掘割」を、どんこ舟に乗りゆらりと巡ります。水郷柳川の風物詩なので体感された方も多いかと思いますが、ぜひ改めて乗ってみてください。春はサクラ、夏は夜の納涼舟、冬はこたつ舟と季節によって趣向が異なり、天候、時間帯でも水面から見上げる城郭の表情が変わります。そして、楽しい空間を演出する船頭さんそれぞれでもまた然り。私自身、柳川の川下りは十数年ぶり。70分コースでじっくりと楽しむことにしました。船会社は複数ありますが料金はほとんど同じです。今回は、20代から80代まで個性豊かな船頭さんがそろっている「城門観光」のどんこ舟に乗り込むことに。
「御花」の目の前にある川下りの会社「城門観光」。70分コースはバスで三柱神社の船着き場へ移動。どんこ舟で掘割を下りここに戻ってきます。
船頭の山口啓司さん
十代で船頭になりこの道20年以上。舟を操る竹竿さばきも見事ですが、話がとってもおもしろい! 客との掛け合いを交え、北原白秋の童謡などを唄いながら、ゆらり掘割を下っていきます。
鶴味噌醸造の通称「並倉」と呼ばれるレンガ造り蔵も川下りの見どころです。
どんこ舟はここからより堀の幅が狭い沖端エリアへ。
どんこ舟はこんな水面ぎりぎりに架かる橋もくぐっちゃいます。客は身を屈め、船頭さんは上から渡って。再び舟に飛び移ると客からやんやの拍手が。
難攻不落の水城として知られた柳川城の城堀。約400年前の重厚な石垣が今も残ります。
橋をくぐる時は客がロープをたぐり船頭さんを手助け。名調子の唄もエコーが効き橋下に響き渡ります。
川下りコース沿いのお宅には、敷地と直結する水洗い場や船着き場も。掘割が地元民の生活に密着していることが分かります。
コース内の水上売店で甘酒や軽食を買うこともできます。舟に弁当やアルコールを持ち込んでもOKです。
70分間船頭さんは、竿を漕ぐ手も口も休むことなくフル回転。同乗したお客さんとも仲良くなり、とてもほっこりとした時間が過ごせました。
【こたつ船】
寒い時期限定で登場する、こたつで暖をとりながら川下りを楽しむ「こたつ船」もまた風情があります。
【有限会社 城門観光】
福岡県柳川市新外町4-25
0944-72-8647
9:00〜日没、夜の川下りは要予約・荒天時休み
乗合船70分コース1,500円、30分コース1,000円
http://r.goope.jp/jyoumon
有限会社 城門観光

福岡県柳川市新外町4-25

柳川で開花した風流な雛飾り「さげもん」にうっとり

沖端さげもん館
柳川観光をしていて、いたるところで目にするのが、愛らしい小物が無数に釣り下がった飾り付け。これは「さげもん」といって、柳川で伝統的に受け継がれてきた雛飾りです。
はじまったとされるのは江戸時代末期ごろ。お雛様の代わりに古着の端切れで作った小物を飾ってお祝いしたのがはじまりだとか。柳川では女の子が生まれるとその子の幸せと健やかな成長を願って、親戚や祖母たちがひと針ひと針縫い上げていき、それをひな壇の両脇に飾ります。
毎年、2月〜4月にかけて「柳川雛祭り さげもんめぐり」を開催。艶やかな衣装に身を包んだ幼子たちの水上パレードや、流し雛祭など多彩なイベントが行われます。
また市内では、期間中以外でもさげもんを飾り付けているところは多いので、見つけたらその精緻で鮮やかな手仕事に注目してみてください。
小物は鶴や亀、海老など縁起のよいものが中心です

見てよし食べてよしの、有明海の珍魚に出会う

豊穣の海・有明海に面した柳川には、全国でも珍しい食文化があります。その一端をのぞける「夜明茶屋」に立ち寄ってみました。
鮮魚店ながら店内奥には食事処もあり、新鮮な魚を使った刺身や煮付け、ボリューム満点の海鮮丼などがリーズナブルにいただけます。
柳川観光の中心部・沖端から歩いてすぐ。向かい側には系列の土産専門店もあります。
まずは有明海のマスコット、ムツゴロウ。尻尾を使い干潟でピョンと飛び跳ねます。甘露煮にすると美味。
そして、これ、なんだか分かりますか?
実はこれ、イソギンチャク。柳川〜佐賀の一部ではこれを「ワケノシンノス」と呼び、珍味として食べています。コリコリとした食感で唐揚げにしてもいいですし、汁物の具材としてもいい出汁がでるんです。
そして出ました、ワラスボ。
ムツゴロウと同じく日本では有明海にしか生息しない珍魚で、そのグロテスクな見た目はまるでエイリアン。
凶暴な見た目からは想像もつかない滋味深い味です。
夜明茶屋では、ムツゴロウやワラスボ、うなぎを使った即席ラーメンも販売。パッケージもユニーク&キャッチーなので、お土産としておすすめです。
【夜明茶屋】
福岡県柳川市稲荷町94-1
0944-73-5680
http://www.mutugorou.co.jp/index.html
夜明茶屋

福岡県柳川市稲荷町94-1

まだまだ楽しむ水郷・柳川!

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