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エンタメ寺院「本福寺」でアートなお寺体験!

佐賀県の東にある基山町(きやまちょう)。町名の由来にもなっている「基山(きざん)」は福岡県と佐賀県にまたがる山で、奈良時代に編纂された肥前国風土記や日本書紀にも登場するほど長い歴史があります。今回は、基山の山合いに佇む「総本山 本福寺」へ!アートな外観やバラエティ豊かな体験を楽しめる、“エンタメ寺院”と話題の穴場的スポットです。

山道の先に広がる絢爛豪華な別世界!

春は桜、秋は紅葉も楽しみな境内。
JR基山駅から車で約15分。緑深い山道のカーブをぐんぐん登っていくと、目にもまぶしい朱塗りの御堂が見えてきます。「本福寺」は、およそ1,350年もの歴史ある聖地に立つ、光明念佛身語聖宗(こうみょうねんぶつしんごしょうしゅう) の総本山。基山にはもともと太宰府を守る山城「基肄城(きいじょう)」があり、万葉の歌人である大伴旅人や、真言宗を開いた空海が訪れたことも。また、古くから山伏が修行をする修験道の地だったそうで、ここにたどり着くまでの険しい山道も納得です。
五重塔地下の立体曼荼羅。赤い柱は輪島塗。
たくさんの方にお寺をもっと身近に感じてほしいと、型にはまらないオープンなスタイルでお寺や仏教の魅力を伝えている「総本山 本福寺」。約750万平方メートルの広大な敷地には、本堂、観音堂、五重塔、善法堂(奥の院)をはじめ、穴場的な見どころが満載。九州では珍しい「五重塔」は地上部分は中に入れませんが、地下は座禅体験などの際、見学・参拝が可能です。どの建物もとにかく色鮮やかでゴージャス!大きな「本堂」の彫刻は日光東照宮の修復師によるアートな彫刻が施され、見ごたえバツグンです。山の斜面にせり出すように建てられた「観音堂」は清水の舞台さながら!春になると目の前に桜が咲きほこるフォトジェニックスポットです。晩春はつつじ、秋は紅葉など、四季折々の景色も好評。時季によっては五重塔と観音堂もライトアップも。撮影ポイントがあちこちにあるのでお見逃しなく!
 

静かな空間に心癒される。善法堂で写経・写仏体験

善法堂の内部。右手の赤い傘のあたりが屋内のカフェスペース。
体験・観光のメインとなっているのが「善法堂 奥の院」。話題の「寺カフェ」もここにあります。まずは、入り口でお坊さんに検温していただき、手指を消毒。御堂は扉や窓が開放されているので換気も十分。マスク着用は基本ですが、受付でマスクの販売もされているので、万一忘れた場合でも安心です。
善法堂に祀られている木造の「不動明王像」は、総高6m幅7mと圧巻の大きさ!西日本最大の不動明王像です。鮮やかなコバルトブルーの御身体に、ダイナミックに燃え盛る赤い炎。どんな災厄も追い払ってくれそうです。着色された木像は全国的にも珍しく、嬉しいことに撮影OK!お参りのあと、パシャリと御姿を写させていただきました。
善法堂の不動明王像
人気の「お寺体験」は写経、写仏、座禅など豊富なメニューが用意されています。難病・大病の秘薬とされる中山一之瀧での「瀧行(たきぎょう)」や、山伏の衣装をまとって修行を体験する「山伏修験道」といった、ちょっとハードなものも。お寺体験に参加するとスタンプカードが配られ、体験内容や回数によってランクアップ。スタンプを12個集めると“仙人"、15個で“偉人"、最高20個で“伝説"の称号が与えられます。この日は、写経と写仏に挑戦しました!
写仏体験
写仏体験では、4種類の仏様の絵柄を選んで、筆で御姿を書き写します。善法堂の一角にある体験スペースは、ほのかにお香が燻る静寂な雰囲気。最初に商売繁盛、健康長寿など、お願い事を1つ選び、仏様を書き終えたあとに自分の名前とともに余白に書きます。いよいよ写仏にチャレンジ!と言いたいところですが、その前に、塗香(ずこう)をします。香木の粉末を右手でつまんで左手の薬指の下につけてすり合わせ心身を清めてから、天女様の下絵にそって丁寧に筆を入れていきます。顔、体、どこから書いても良いそうですが、講師のお坊さんのアドバイスに従って“目"から書いてみました。
写仏体験で選べる4つの絵柄。右に行くほど易しく、左に行くほど難しい。
写経体験。心静かに筆を運びます。
写経体験も写仏と同様に、般若心経に重ねた半紙に一筆ずつ文字を書いていきます。般若心経は、お釈迦様の教えをコンパクトにまとめた276文字の経典です。無心になって書いているうちに、不思議と心が落ち着いてきます。
 

絶景を一望できる「寺カフェ」でほっこり♪

お抹茶 和菓子 セット

話題の「寺カフェ」は土日祝日限定でオープン。善法堂の前に設置された屋外の席は、基山の自然から市街地までゆったりとした絶景を楽しめる特等席です。緋毛せんが敷かれた縁台の上にはかわいいお地蔵さんも。今回は季節の和菓子が付いた“お抹茶"をチョイス。黒塗りの半月盆にのったお抹茶には金粉がキラキラ♪秋のお月見シーズンにぴったりのラブリーなうさぎの和菓子が添えてありました。インスタ映え間違いなし!ちなみに、副住職のおすすめは、イタリア産シチリア直送のブラッドオレンジジュースだそうです(笑)。ドリンクはほとんど和菓子付き。夏はかき氷やフロートが味わえます。
気持ちの良い空間と景色、おいしいカフェメニューにほっこり。きれいな空気、すがすがしい風も山あいのお寺ならでは。来てよかった!と思える最高のロケーションです。
※コロナの影響で、2020年10月現在、寺カフェの営業時間は朝10時〜に変更になりました。
 

ポップなアマビエも好評!多彩な「アート御朱印」

「総本山 本福寺」のご本尊の不動明王は、古くから“お不動さん"と親しまれ、商売繁盛・金運、病気平癒、厄除けなどのご利益で知られています。本福寺の授与所でいただける「御朱印」は約20種類とバリエーションいろいろ。水彩画のように美しいもの、ポップな絵柄もあり、アート御朱印として親しまれています。疫病を鎮めるとされる“アマビエ"や“ヨゲンノトリ"といった話題の御朱印や、季節や月替わりで描かれる御朱印もあります。参拝の記念やお守りにもぴったりです。
さまざまな種類がある御朱印
また、コロナの影響で遠出できない方のために、ホームページから御朱印の郵送をお願いすることができます。ツイッターやインスタなど「総本山 本福寺」の公式アカウントからも最新情報をチェックできますよ。
コロナ終息や大切な人の健康を願いに。心身のリフレッシュに。仏様を身近に感じられるお寺で、ゆっくり心癒されるひとときを過ごしてみませんか。
なお「総本山 本福寺」へのアクセスは、催事などで臨時のシャトルバスが運行されるほかは車となります。公共交通機関でお越しの際は、JR基山駅やけやき台駅、あるいは基山サービスエリアからタクシーをご利用ください。時間はいずれも約15分です。
総本山 中山一之瀧 本福寺

佐賀県三養基郡基山町大字宮浦2120

https://www.honpukuji.or.jp/

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