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白亜紀にタイムスリップ!? 大人も子どもも夢中になる化石発掘体験と恐竜博物館へ

九州のほぼ中央に位置する熊本県上益城郡御船町。“恐竜の郷”として国内外に知られ、恐竜や化石のモニュメントが至る所に点在しています。そんな御船町で恐竜博物館を見学後、化石発掘体験に挑戦してきました。

国内で初めて発見された肉食恐竜であるミフネリュウの化石を見学

御船町恐竜博物館の外観。入り口ではリアルなティラノサウルスの模型が迎えてくれます

九州自動車道・御船ICから車で約10分。御船町の中心部にある御船町恐竜博物館は、恐竜をはじめとするさまざまな化石を通して、地球の長い歴史について楽しく学べる施設です。館内は「太古の世界の探究」「白亜紀の御船」「脊椎動物の進化」「恐竜たちの世界」「生命と地球」の5つのゾーンに分かれており、訪れる人を太古の世界へと誘ってくれます。

肉食恐竜ミフネリュウの歯の化石(レプリカ)

「太古の世界の探究」ゾーンの注目は、ミフネリュウの歯の化石です。1979年、御船町上梅木地区にある地層・御船層群で1人の小学生により国内で初めて発見された肉食恐竜の化石です。長さ7.3㎝で、よく見ると縁に細かいギザギザがあります。この発見により、日本にも肉食恐竜が生息していたことが初めて証明され、御船町は“恐竜の郷"として一躍国内外に知られるようになりました。
「白亜紀の御船」ゾーンでは、多くの恐竜の化石を産出している御船層群について詳しく紹介しています。御船層群とは、約9000万年前の白亜紀後期に堆積した厚さ約2000mの地層。下から「基底層」「下部層」「上部層」と3つの層に分けられます。基底層と下部層からは貝の化石が、そして上部層から恐竜の化石が多く発見されているそうです。

恐竜19体の骨格標本は迫力満点。九州最大規模の骨格展示数を誇ります

「脊椎動物の進化」ゾーンでは、魚から哺乳類に至る脊椎動物の進化の過程を紹介。そしてハイライトとなるのが「恐竜たちの世界」ゾーンです。トリケラトプスやティラノサウルス、アクロカントサウルスなど、大小19体に及ぶ恐竜の骨格標本が年代順にずらりと並ぶ様子は圧巻! 今にも動き出しそうな迫力で“恐竜進化大行進"と呼ばれています。また、恐竜の歯や頭骨、脳、大腿骨など、世界各地から集められた化石が部位ごと並ぶ展示も必見です。さらに「生命と地球」ゾーンでは、先カンブリア時代の地球誕生から白亜紀末の生物大量絶滅、新生代の気候変動など、生命と地球の歴史を紹介。未来の地球環境にも思いを巡らせています。
このほか、化石のクリーニング作業など実際の調査・研究の様子を見学できるオープンラボや、オリジナルの恐竜グッズが人気のミュージアムショップなどもあり、ファミリー層を中心に人気を集めています。

御船町恐竜博物館

熊本県上益城郡御船町御船995-6

https://www.mifunemuseum.jp

約9000万年前の白亜紀後期の地層で化石発掘体験!

ハンマーで石を叩いて化石を探します。硬い砂岩は割るのにひと苦労

御船町恐竜博物館で恐竜や化石について学んだ後は、隣接する御船町観光交流センターへ。約9000万年前の御船層群の地層から石を運んできた体験場があり、気軽に化石発掘を体験できます。「100%とは断定できませんが、貝や植物の化石はかなりの高確率で発見できますよ」と話すのは、化石発掘探検隊のロバート隊長こと御船町観光協会事務長の岩瀬英次さん。その言葉に化石発見の期待が高まります。
はじめに館内の一室に集合してオリエンテーションがスタート。化石発掘の方法や注意事項などを紹介したDVDを鑑賞します。化石発掘のコツは、石をよく見極めることだそう。体験場には、マグマが冷え固まってできた「火山岩」、砂が固まった「砂岩」、泥が固まった「泥岩」の3種類の石があり、なかでも砂岩と泥岩に化石が含まれている可能性が高いそうです。一方、火山岩には化石は含まれていないそうなので、石を探す際に注意しましょう。

化石らしき物を見つたらロバート隊長(写真)やスタッフに声をかけて確認してもらいましょう

そして体験場に移動し、ゴーグルとハンマーを借りたら、いよいよ発掘体験開始です。「ぽっこり出ていたり、引っ込んでいたり、黒いものや白いものがあれば化石かもしれません。ハンマーで石を叩いて、割れたら断面をよく確認してください」とロバート隊長。丸みを帯びた火山岩は排除し、角張っていてざらざらした手触りの砂岩と、茶褐色で手触りが滑らかな泥岩を探していきます。砂岩を見つけ、ハンマーで割ってみるものの非常に硬く、なかなか割れません。そこで、ターゲットを泥岩のみに絞って探すことに。柔らかい泥岩は、わずかな力で簡単に割ることができました。

泥岩からシュードアサフィス ジャポニクス貝の化石を発見

大きめの泥岩を見つけてハンマーで割ってみると、縦縞の模様が入った貝らしきものを発見しました。早速、ロバート隊長に確認してもらいます。「シュードアサフィス ジャポニクスという貝の化石ですね。こんなにきれいな形で出るのは珍しいですよ」と隊長。これが9000万年前の貝だと思うと感動もひとしおです。夢中で石を探していると、あっという間に体験時間が終了。ほかの参加者の皆さんも、それぞれ貝の化石を発見できたようです。発見した化石は、1人1個まで持ち帰りが可能。万が一、学術的に貴重な化石だった場合は、隣の御船町恐竜博物館で調査・研究の対象になるので持ち帰りできないそうです。
化石発掘体験は、3月〜11月の土・日曜、祝日に実施(GW、夏休み期間は特別開催あり)。大人1,000円、子ども(4歳以上高校生以下※未就学児は保護者同伴、保護者も体験料が必要)500円。軍手、手袋持参(オリジナル手袋100円~150円の販売もあり)。御船町観光協会に要予約。電話のほか、インターネットでも予約を受け付けています。

化石発掘体験(御船町観光交流センター)

熊本県上益城郡御船町御船1003

https://www.mifune-kankou.jp/spot/508/

阿蘇外輪山の裾野に広がる吉無田高原でグランピング満喫

吉無田高原「緑の村」のローンスキー場。化石発掘体験もできます

御船町に家族や友達みんなと滞在するなら、緑の草原が広がる吉無田高原「緑の村」がおすすめです。御船町の中心部から車で約30分。標高600〜700mの阿蘇外輪山の裾野に位置し、天気が良い日は九州山地や八代海、有明海、雲仙普賢岳、金峰山、熊本空港などをパノラマビューで楽しめます。敷地内は、ローンスキーやマウンテンバイクなどのアクティビティーを体験できる絶好のアウトドアスポット。テントの持ち込みやレンタルができるキャンプ場も備えています。ちなみに、敷地内にある「わくわく化石発掘ランド」でも化石発掘体験を実施しています(御船町観光協会に要予約)。

5棟のドームハウスがある「星の森ヴィラ」

2018年、敷地内の緑豊かな高台にドームハウスが点在する「星の森ヴィラ」がオープン。気軽にグランピングを体験できるスポットとして幅広い層から人気を集めています。ドームハウスは「ダイチ(大地)」「クサキ(草木)」「ソラ(空)」「ヒカリ(光)」「ツキヨ(月夜)」の全5棟。内装はそれぞれの部屋名をイメージしており、部屋ごとに異なる雰囲気を楽しめるのも魅力です。

ドームハウス「ダイチ(大地)」の室内。夜は天窓から星空を眺めることもできます

室内には、冷暖房やテレビ、冷蔵庫、ユニットバス、寝具セットなどを完備。ホテルのような快適空間が広がります。また、各部屋に専用のオープンテラスを備えているので、バーベキューガスコンロをレンタル(有料)すれば、熊本市街の美しい夜景を眺めながらバーベキューを楽しめますよ。

吉無田高原 緑の村

熊本県上益城郡御船町田代8405-24

https://www.mifune-kankou.jp/yoshimuta_top/

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